【VBA】With〜End Withでコードを短く・高速にする方法(コピペOK)

VBA
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この記事でできること

VBAの With〜End With を使って、同じオブジェクトへの操作をまとめて書く方法が分かる。

  • 対象:VBAのコードが長くなってきた人、処理速度を上げたい人
  • 所要時間:コピペ → 実行まで5分

どんな場面で使う?

  • ヘッダー行の書式設定 — フォント・背景色・罫線・配置をまとめて設定するとき、同じセル範囲を何度も書かずに済む
  • 月次レポートの体裁整え — 複数の範囲にそれぞれ異なる書式を適用するとき、Withのネストで階層的に整理できる
  • 大量データへの一括処理 — 1万行以上のデータに対して書式設定と値の加工を行うとき、配列と組み合わせて高速化したい
  • セルの読み書きが多い処理 — 同じシート・同じ範囲に対して5回以上プロパティやメソッドを呼ぶとき、コード量と実行時間の両方を削減したい
  • 他人が読むコードの保守性向上 — チームで共有するマクロで、どのオブジェクトに対する操作なのかを明確にしたい

導入

毎回 Worksheets("Sheet1").Range("A1").Font.Bold = True のように長いコードを書いていた時期がある。同じシート・同じセルに対して5行も6行も同じオブジェクト名を繰り返していて、正直めんどくさかった(①共感)。

With を覚えてからは、コードが半分くらいの長さになって、読み返すのもラクになった。しかも処理速度まで上がる(②実感)。

この記事で、同じように「コードが長い」「もう少し速くしたい」と思っている人がサクッと解決できるようになればうれしい(③動機)。

Before / After

Before(Withなし):同じオブジェクト名を何度も書く


Worksheets("Sheet1").Range("A1:D1").Font.Bold = True
Worksheets("Sheet1").Range("A1:D1").Font.Size = 12
Worksheets("Sheet1").Range("A1:D1").Font.Color = RGB(255, 255, 255)
Worksheets("Sheet1").Range("A1:D1").Interior.Color = RGB(0, 112, 192)
Worksheets("Sheet1").Range("A1:D1").Borders(xlEdgeBottom).LineStyle = xlContinuous

After(Withあり):オブジェクト名は1回だけ


With Worksheets("Sheet1").Range("A1:D1")
    .Font.Bold = True
    .Font.Size = 12
    .Font.Color = RGB(255, 255, 255)
    .Interior.Color = RGB(0, 112, 192)
    .Borders(xlEdgeBottom).LineStyle = xlContinuous
End With

5行 → 同じ5行だが、オブジェクト参照は1回だけ。コードが短くなり、修正時もセル範囲の変更が1箇所で済む。

手順

  1. Excelファイルを.xlsmで保存する

マクロ有効ブック(.xlsm)でないとVBAは保存できない。

  1. VBEを開く

Alt + F11 でVBE(コードを書く画面)を開く。

  1. 標準モジュールを挿入する

VBEのメニュー →「挿入」→「標準モジュール」。

  1. コードを貼り付ける

下のコードをそのままコピーして貼り付ける。

  1. 実行する

F5 キー、またはVBEのメニュー →「実行」→「Sub/ユーザーフォームの実行」。

基本コード(書式設定をWithでまとめる)


Sub WithBasic()
    '============================================
    ' With〜End Withで書式設定をまとめる
    ' 対象: Sheet1のA1:D1セルにヘッダー書式を適用
    '============================================

    With Worksheets("Sheet1").Range("A1:D1")
        ' --- フォント設定 ---
        .Font.Bold = True
        .Font.Size = 12
        .Font.Name = "Meiryo UI"
        .Font.Color = RGB(255, 255, 255)

        ' --- 背景色 ---
        .Interior.Color = RGB(0, 112, 192)

        ' --- 罫線(下線) ---
        .Borders(xlEdgeBottom).LineStyle = xlContinuous
        .Borders(xlEdgeBottom).Weight = xlMedium

        ' --- 配置 ---
        .HorizontalAlignment = xlCenter
    End With

    MsgBox "書式設定が完了しました", vbInformation
End Sub

ポイント

  • With の後にオブジェクト(セル範囲・シートなど)を指定する
  • ブロック内では ドット(.)から始める。ドットが With の後のオブジェクトにつながる
  • End With で閉じる

なぜWithを使うと速くなるのかというと、VBAはドットで区切られたオブジェクト参照(例:Worksheets("Sheet1").Range("A1").Font)を毎回「シートを探す → セルを探す → フォントオブジェクトを取得する」という手順で解決している。Withで囲むと、この解決処理が With の行で1回だけ行われ、ブロック内の .Font.Bold.Font.Size は解決済みのオブジェクトに直接アクセスする。操作が5つ、10つと増えるほど差が開く仕組みだ。

もう1つの大きなメリットは保守性だ。セル範囲を "A1:D1" から "A1:F1" に変更したくなったとき、Withなしだと5行すべてを修正する必要がある。Withありなら With の行1箇所を直すだけで済む。修正漏れによるバグを防げるのは、チームで共有するマクロでは特に重要だ。

罫線の引き方をもっと詳しく知りたい場合は 罫線を一括で引く・消す・種類を変える方法 を参照。セルの背景色・文字色の指定方法は セルの背景色・文字色をRGBで自由に操作する方法 にまとめてある。

実務版コード

実務では、Withのネストや配列との組み合わせで、より大きな効果が得られる。

自分は月次レポートの書式設定をWithで整理してから、コードの見通しが一気によくなって、修正作業が半分以下の時間で終わるようになった。

実務版1:ネストWith(シート+セル範囲)


Sub WithNested()
    '============================================
    ' ネストWith:シートとセル範囲を階層で指定
    ' Sheet1にヘッダー行+データ行の書式を一括適用
    '============================================

    Dim lastRow As Long

    With Worksheets("Sheet1")
        lastRow = .Cells(.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row

        ' --- ヘッダー行の書式 ---
        With .Range("A1:D1")
            .Font.Bold = True
            .Font.Size = 12
            .Font.Color = RGB(255, 255, 255)
            .Interior.Color = RGB(0, 112, 192)
            .HorizontalAlignment = xlCenter
        End With

        ' --- データ行の書式 ---
        With .Range("A2:D" & lastRow)
            .Font.Size = 11
            .Font.Name = "Meiryo UI"
            .Borders.LineStyle = xlContinuous
            .Borders.Weight = xlThin
            .NumberFormat = "#,##0"    ' ←必要に応じて変更
        End With

        ' --- 列幅の自動調整 ---
        .Columns("A:D").AutoFit
    End With

    MsgBox "書式設定が完了しました(" & lastRow & "行)", vbInformation
End Sub

ネストWithのルール

  • 内側の With では、外側のオブジェクトを直接参照できない
  • 内側で外側のオブジェクトを使いたい場合は、変数に入れておく

コード解説:

このコードでは外側の With Worksheets("Sheet1") でシートを固定し、内側の With .Range("A1:D1") でセル範囲を指定している。外側のWithがあるから、内側で .Range(...) と書けば自動的にSheet1の範囲を指す。ネストにすることで「どのシートのどの範囲に対する操作か」が視覚的に分かりやすくなる。lastRow の取得も外側のWithブロック内で .Cells(.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row と書けるため、シート名の繰り返しがゼロになっている。

実務版2:Withと配列の組み合わせで高速化

大量データに書式を適用する場合、配列で値を処理してからWithで書式設定すると最速になる。画面更新を止める高速化テクニックについては 画面更新・再計算を止めてマクロを高速化する方法 も合わせて確認してほしい。


Sub WithArraySpeed()
    '============================================
    ' With + 配列 + 画面更新停止で高速化
    ' 1万行のデータに対して値の加工+書式設定を行う
    '============================================

    Dim ws As Worksheet
    Dim lastRow As Long
    Dim dataArr As Variant
    Dim i As Long
    Dim startTime As Double

    Set ws = Worksheets("Sheet1")
    startTime = Timer

    ' --- 高速化設定 ---
    Application.ScreenUpdating = False
    Application.Calculation = xlCalculationManual
    Application.EnableEvents = False

    With ws
        lastRow = .Cells(.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row

        ' --- 配列に読み込み(セルへの直接アクセスを減らす) ---
        dataArr = .Range("A2:D" & lastRow).Value

        ' --- 配列上で値を加工(例:D列を1.1倍) ---
        For i = 1 To UBound(dataArr, 1)
            If IsNumeric(dataArr(i, 4)) Then
                dataArr(i, 4) = dataArr(i, 4) * 1.1
            End If
        Next i

        ' --- 配列をシートに書き戻す ---
        .Range("A2:D" & lastRow).Value = dataArr

        ' --- Withで書式設定をまとめて適用 ---
        With .Range("A1:D" & lastRow)
            .Borders.LineStyle = xlContinuous
            .Borders.Weight = xlThin
        End With

        With .Range("D2:D" & lastRow)
            .NumberFormat = "#,##0"
            .Font.Color = RGB(0, 0, 0)
        End With

        ' --- ヘッダー行 ---
        With .Range("A1:D1")
            .Font.Bold = True
            .Interior.Color = RGB(0, 112, 192)
            .Font.Color = RGB(255, 255, 255)
        End With

        .Columns("A:D").AutoFit
    End With

    ' --- 高速化設定を戻す ---
    Application.EnableEvents = True
    Application.Calculation = xlCalculationAutomatic
    Application.ScreenUpdating = True

    MsgBox "処理完了(" & lastRow - 1 & "行)" & vbCrLf & _
           "処理時間: " & Format(Timer - startTime, "0.00") & "秒", vbInformation
End Sub

配列の基本は 配列を使ってVBAの処理速度を10倍にする方法 で詳しく解説している。処理を部品化して管理したい場合は マクロから別のマクロを呼び出して処理を分割する方法 を参照。

Withなしとの比較(行数・速度)

コード行数の比較

項目 Withなし Withあり 削減率
オブジェクト参照の記述回数 操作の行数分 1回 大幅削減
ヘッダー書式(8項目) 8行(各行にフルパス) 10行(With/End With含む) 文字数約40%減
ネスト構造(シート+範囲) 各行にシート名+範囲 外側1回+内側1回 文字数約50%減

速度の比較(1万行 × 5プロパティ設定)


Sub SpeedComparison()
    '============================================
    ' Withあり / なし の速度比較
    ' Sheet1に1万行のテストデータがある前提
    '============================================

    Dim ws As Worksheet
    Dim i As Long
    Dim t1 As Double, t2 As Double
    Dim lastRow As Long

    Set ws = Worksheets("Sheet1")
    lastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row

    Application.ScreenUpdating = False

    ' --- Withなし ---
    t1 = Timer
    For i = 2 To lastRow
        ws.Cells(i, 1).Font.Bold = True
        ws.Cells(i, 1).Font.Size = 11
        ws.Cells(i, 1).Font.Name = "Meiryo UI"
        ws.Cells(i, 1).Interior.Color = RGB(255, 255, 200)
        ws.Cells(i, 1).Borders.LineStyle = xlContinuous
    Next i
    t1 = Timer - t1

    ' --- 書式をリセット ---
    ws.Range("A2:A" & lastRow).ClearFormats

    ' --- Withあり ---
    t2 = Timer
    For i = 2 To lastRow
        With ws.Cells(i, 1)
            .Font.Bold = True
            .Font.Size = 11
            .Font.Name = "Meiryo UI"
            .Interior.Color = RGB(255, 255, 200)
            .Borders.LineStyle = xlContinuous
        End With
    Next i
    t2 = Timer - t2

    Application.ScreenUpdating = True

    MsgBox "Withなし: " & Format(t1, "0.000") & "秒" & vbCrLf & _
           "Withあり: " & Format(t2, "0.000") & "秒" & vbCrLf & _
           "差: " & Format(t1 - t2, "0.000") & "秒", vbInformation
End Sub

補足: Withによる速度向上はオブジェクト参照の解決が1回で済むため。ただし、セル単位のループ自体が遅いため、本格的な高速化には配列との組み合わせが効果的。

落とし穴

# 症状 原因 対策
1 With の中で . を付け忘れてエラーになる ドットなしだと With のオブジェクトではなく別のオブジェクトを参照してしまう ブロック内のプロパティ・メソッドは 必ずドットで始める
2 ネストWithで外側のオブジェクトにアクセスできない 内側の With が優先されるため、外側の . は使えない 外側のオブジェクトを変数に入れておく。例: Set ws = Worksheets("Sheet1")
3 With の中で Set を使ってオブジェクトを変更しても反映されない With が参照するオブジェクトはブロック開始時に確定する。途中で変えても With の参照先は変わらない With ブロック内でオブジェクト自体を差し替えない。別の With ブロックを使う
4 End With を書き忘れてコンパイルエラーになる WithEnd With は必ずペア。片方が欠けるとエラー VBEの自動インデントを活用して対応を確認する。自分もこれで何度かコンパイルエラーを出して、5分くらい原因を探したことがある
5 With の中に GoTo で飛び込むと予期しない動作になる With ブロックの外から中にジャンプすると、オブジェクト参照が未設定のまま実行される GoToWith ブロックの途中に飛び込まない。ブロックの外に飛び出すのはOK
6 Withを使いすぎてネストが深くなり、かえって読みにくくなる 3段以上のネストは人間が追いにくい ネストは 2段まで を目安にする。3段以上必要なら変数でオブジェクトを受けて分離する

VBAでWith End Withがエラーになるときの対処法

「With〜End Withブロックでコンパイルエラーが出る」という場合、原因は End With の書き忘れか、WithEnd With の対応がずれていることがほとんどだ。ネストしている場合は特に見落としやすい。対策として、VBEのインデント機能を活用して WithEnd With の対応を視覚的に確認する。もう1つのよくある原因は、Withブロック内でドット(.)を付け忘れているケースだ。ドットなしで書くとWithのオブジェクトではなくグローバルなオブジェクトを参照してしまい、型不一致やオブジェクトが見つからないエラーになる。

VBAでオブジェクト変数がNothingになるエラーの対処法

「Withブロックの中で実行時エラー91『オブジェクト変数またはWith ブロック変数が設定されていません』が出る」という場合、原因はWithに渡したオブジェクトが Nothing(未設定)であることだ。たとえば Set ws = Nothing の状態で With ws を実行するとこのエラーが発生する。対策として、Withの前に If ws Is Nothing Then のチェックを入れて、オブジェクトが有効かどうかを確認する。シート名の指定ミスで Worksheets("存在しない名前") を代入しようとしてNothingになるパターンも多いので、シート名は事前に確認しておくこと。

FAQ

Q1. Withを使うと必ず速くなりますか?

A. オブジェクト参照の解決回数が減るため、同じオブジェクトに複数の操作をする場合は速くなる。ただし、1つのプロパティしか操作しない場合は効果がほぼない。目安として、同じオブジェクトに3つ以上の操作をするならWithで囲むのがよい。

Q2. WithとSetの違いは何ですか?

A. Set は変数にオブジェクトを代入する。With はオブジェクトを一時的に「省略できる状態」にする。Set ws = Worksheets("Sheet1") のあとに With ws と書くこともできるし、With Worksheets("Sheet1") と直接書くこともできる。使い分けとしては、複数箇所で使うならSet、1箇所でまとめて操作するならWith

Q3. Withの中でメソッド(CopyやDeleteなど)も使えますか?

A. 使える。プロパティだけでなく、メソッドもドット付きで呼び出せる。


With Worksheets("Sheet1").Range("A1:D10")
    .Copy
    .ClearFormats
    .Borders.LineStyle = xlNone
End With

Q4. With文はFor Eachループの中でも使えますか?

A. 使える。むしろループ内こそWithの効果が大きい。


Dim ws As Worksheet
For Each ws In ThisWorkbook.Worksheets
    With ws.Range("A1")
        .Value = ws.Name
        .Font.Bold = True
    End With
Next ws

Q5. Withのネストは何段まで使えますか?

A. VBAの仕様上は制限がないが、実務では2段までを推奨する。3段以上になると読みにくく、バグの温床になる。自分は2段を超えたら変数に切り出すルールで落ち着いた。

まとめ

この記事では、With〜End With同じオブジェクトへの操作をまとめて書く方法 を解説した。

  • 基本:With オブジェクト で囲み、ブロック内は . で始める
  • 実務:ネストWithで階層構造を整理し、配列と組み合わせて高速化
  • 注意:ネストは2段まで、ブロック内には必ずドットを付ける

Withは「同じオブジェクトに3回以上アクセスするならとりあえず囲む」というルールで始めるとよい。自分の経験では、Withを使い始めてからコードの文字数が平均で30〜40%減り、修正時の「どこを直せばいいか分からない」問題がほぼなくなった。特にセルの書式設定はプロパティを5つ以上触ることが多いので、Withとの相性が抜群だ。速度面の効果はデータ量が少ないうちは体感しにくいが、1万行を超えるあたりから明確に差が出る。まずは基本コードで書式設定をまとめる感覚をつかみ、次にネストWithで階層構造を整理する流れで進めるのがおすすめだ。

バックアップの推奨: 書式設定は元に戻しにくい操作が含まれるため、マクロ実行前にファイルのコピーを取っておくことを推奨する。

前提条件

項目 内容
Excel版 Excel 2016以降 / Microsoft 365
OS Windows 10 / 11
保存形式 .xlsm(マクロ有効ブック)
貼り付け場所 標準モジュール
実行方法 F5 キー、またはマクロ実行

次にやりたくなること

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