【VBA】ブックにパスワードを自動で設定・解除する方法(コピペOK)

VBA
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  1. この記事でわかること
  2. どんな場面で使う?
  3. 完成イメージ(Before / After)
  4. 実行前の準備
    1. バックアップを取る
    2. パスワードを控えておく
    3. Excelをマクロ有効ブック(.xlsm)で保存する
  5. 手順(コピペ → 実行まで約5分)
    1. VBE(コードを書く画面)を開く
    2. 標準モジュールを挿入する
    3. コードを貼り付けて実行する
  6. コード(基本版)– SaveAsでブックにパスワードを設定
    1. 書き換えポイント
    2. コードの流れ
    3. Password と WriteResPassword の違い
  7. コード(応用版)– パスワードの解除・変更
    1. パターン1:パスワードを解除する
    2. パターン2:パスワードを変更する
  8. コード(実務版)– フォルダ内の複数ブックに一括パスワード設定
    1. 書き換えポイント
    2. コードの流れ
  9. よくある落とし穴5選
    1. 1. SaveAsで元ファイルを上書きしてしまった
    2. 2. パスワードを忘れてファイルが開けない
    3. 3. シート保護とブックパスワードを混同する
    4. 4. FileFormatと拡張子が一致せずエラー
    5. 5. Dir関数がWorkbooks.Open内でリセットされる
    6. VBAでパスワード設定したのにファイルが保護されないときの対処法
    7. VBAでパスワード付きブックを開けないときの対処法
  10. FAQ
    1. Q1: 読み取りパスワードと書き込みパスワードの違いは?
    2. Q2: パスワード付きブックをVBAで開くには?
    3. Q3: .xlsxファイルにもパスワードをかけられる?
    4. Q4: パスワードの強度に制限はある?
    5. Q5: マクロブック(.xlsm)自体にパスワードをかけると、マクロは動く?
  11. まとめ
    1. 関連記事
  12. 次にやりたくなること
  13. もっとカスタマイズしたい場合

この記事でわかること

  • VBAでブックに読み取りパスワード(Password)を自動設定できる
  • 書き込みパスワード(WriteResPassword)との違いと使い分けがわかる
  • フォルダ内の複数ブックにパスワードを一括設定できる(実務版)

対象: Excel 2016以降 / Microsoft 365、Windows 10/11

どんな場面で使う?

  • 月末の報告書を複数ブックに分けて保存するとき、全ファイルにパスワードを一括で設定したい
  • 社外に送るExcelファイルに読み取りパスワードをかけ忘れるリスクをゼロにしたい
  • 期末で古いパスワードを新しいものに一括変更したい
  • 共有フォルダのファイルに書き込みパスワードだけ設定して「閲覧はOK・編集は制限」にしたい

完成イメージ(Before / After)

Before(手動でパスワード設定):

  1. Excelファイルを開く
  2. 「ファイル」→「名前を付けて保存」→「ツール」→「全般オプション」
  3. 読み取りパスワードを手入力
  4. 保存して閉じる
  5. 次のファイルを開いて同じ操作を繰り返す…(10ファイルなら10回)
  6. 1つかけ忘れてヒヤリ

After(VBAで自動設定):

  1. マクロを実行
  2. フォルダ内の全ブックにパスワードが一括設定される
  3. かけ忘れゼロ。作業時間は5秒

対象フォルダ(C:\Users\(ユーザー名)\Desktop\報告書\):


売上報告_東京.xlsx    ← パスワード設定済み
売上報告_大阪.xlsx    ← パスワード設定済み
売上報告_名古屋.xlsx  ← パスワード設定済み

月末の報告書を10個のブックに分けて保存し、それぞれに手作業でパスワードをかけていた。パスワード入力画面で毎回同じ文字列を打ち込む作業が地味に面倒で、しかも1つかけ忘れてヒヤリとしたことがある。

VBAなら SaveAsPassword 引数にパスワードを渡すだけで、保存と同時にパスワードが設定される。フォルダ内の全ブックをループすれば一括処理もできる。10ファイル分の作業が5秒で終わるようになった。

この記事では、1つのブックにパスワードを設定する基本版、パスワードの解除・変更ができる応用版、フォルダ内の複数ブックに一括設定する実務版を順に紹介する。

パスワードのかけ忘れは、VBAに任せればゼロにできる。

なお、ブック全体ではなくシート単位で保護をかけたい場合は 特定シートだけ保護・解除する方法 を参照。本記事では「ブックを開くときのパスワード」に特化する。

実行前の準備

バックアップを取る

SaveAsでパスワード付き保存すると、元のファイルが上書きされる場合がある。必ずファイルのコピーを別フォルダに保存してから実行する。

パスワードを控えておく

パスワードを忘れるとファイルが開けなくなる。設定するパスワードは必ずメモやパスワード管理ツールに記録しておくこと。

Excelをマクロ有効ブック(.xlsm)で保存する

拡張子が .xlsx のままだとマクロが保存できない。

  1. 「ファイル」→「名前を付けて保存」
  2. ファイルの種類を「Excelマクロ有効ブック (*.xlsm)」に変更
  3. 保存

手順(コピペ → 実行まで約5分)

VBE(コードを書く画面)を開く

  1. Excelで Alt + F11 を押す
  2. VBE(Visual Basic Editor)が開く

標準モジュールを挿入する

  1. VBEのメニュー →「挿入」→「標準モジュール」
  2. 白い画面(コードウィンドウ)が表示される

コードを貼り付けて実行する

  1. コードウィンドウに、下のコードをそのままコピペする
  2. Alt + F8 → マクロ名を選んで「実行」

ボタンに割り当てれば毎回Alt+F8を押さなくて済む。方法は マクロをボタン1つで実行する方法 を参照。

コード(基本版)– SaveAsでブックにパスワードを設定

まずはこれだけで動く。SaveAsPassword 引数にパスワードを渡すだけで、読み取りパスワード付きのブックとして保存される。参照設定は不要。


'============================================================
' ■ ブックに読み取りパスワードを設定(基本版)
'   → SaveAs の Password 引数でパスワード付き保存
'   → 参照設定不要。VBA標準機能のみ
'============================================================
Sub SetBookPassword()

    '--- ★書き換えポイント ---
    Dim savePath As String
    savePath = "C:\Users\(ユーザー名)\Desktop\報告書\"  '← 保存先フォルダ(末尾に\)

    Dim fileName As String
    fileName = "売上報告.xlsm"                            '← ファイル名

    Dim pw As String
    pw = "myPass123"                                       '← 設定するパスワード
    '--- ★ここまで ---

    '--- フルパスを組み立て
    Dim fullPath As String
    fullPath = savePath & fileName

    '--- 保存先フォルダの存在チェック
    If Dir(savePath, vbDirectory) = "" Then
        MsgBox "保存先フォルダが見つかりません:" & savePath, vbExclamation
        Exit Sub
    End If

    '--- 確認ダイアログ
    If MsgBox("以下のファイルにパスワードを設定して保存します。" & vbCrLf & vbCrLf & _
              "ファイル:" & fullPath & vbCrLf & _
              "パスワード:" & pw & vbCrLf & vbCrLf & _
              "実行しますか?", vbYesNo + vbQuestion) = vbNo Then
        Exit Sub
    End If

    '--- パスワード付きで保存
    On Error GoTo ErrHandler
    Application.DisplayAlerts = False
    ThisWorkbook.SaveAs Filename:=fullPath, _
                        FileFormat:=xlOpenXMLWorkbookMacroEnabled, _
                        Password:=pw
    Application.DisplayAlerts = True

    MsgBox "パスワードを設定して保存しました:" & vbCrLf & fullPath, vbInformation
    Exit Sub

ErrHandler:
    Application.DisplayAlerts = True
    MsgBox "エラーが発生しました:" & vbCrLf & Err.Description, vbExclamation

End Sub

書き換えポイント

変数 説明 初期値
savePath 保存先フォルダ(末尾に \ "C:\Users\(ユーザー名)\Desktop\報告書\"
fileName 保存するファイル名 "売上報告.xlsm"
pw 設定するパスワード "myPass123"

コードの流れ

  1. 保存先とファイル名を指定: savePathfileName でフルパスを組み立てる
  2. フォルダ存在チェック: Dir(savePath, vbDirectory) で保存先の存在を確認
  3. 確認ダイアログ: パスワードとファイル名を表示して最終確認
  4. SaveAs でパスワード付き保存: Password:=pw で読み取りパスワードを設定
  5. エラーハンドリング: エラー発生時も DisplayAlerts を必ず True に戻す

ポイント:

  • Password 引数は「読み取りパスワード」。このパスワードを知らないとファイルを開けない
  • 書き込みパスワード(読み取り専用で開くことは可能)を設定したい場合は WriteResPassword 引数を使う。応用版で解説する
  • FileFormat:=xlOpenXMLWorkbookMacroEnabled は .xlsm 形式。.xlsx で保存する場合は xlOpenXMLWorkbook(51)に変更する

Password と WriteResPassword の違い

引数 パスワードの種類 パスワードなしで開くと
Password 読み取りパスワード ファイルが開けない
WriteResPassword 書き込みパスワード 「読み取り専用」で開ける

コード(応用版)– パスワードの解除・変更

パターン1:パスワードを解除する

既にパスワードが設定されているブックから、パスワードを解除して保存し直す。Password:="" のように空文字を渡すとパスワードが解除される。


'============================================================
' ■ ブックのパスワードを解除(応用版)
'   → Password:="" で読み取りパスワードを解除
'   → WriteResPassword:="" で書き込みパスワードも同時に解除
'============================================================
Sub RemoveBookPassword()

    '--- ★書き換えポイント ---
    Dim currentPw As String
    currentPw = "myPass123"       '← 現在設定されているパスワード
    '--- ★ここまで ---

    '--- 確認ダイアログ
    If MsgBox("このブックのパスワードを解除して上書き保存します。" & vbCrLf & vbCrLf & _
              "実行しますか?", vbYesNo + vbQuestion) = vbNo Then
        Exit Sub
    End If

    '--- パスワードなしで上書き保存
    On Error GoTo ErrHandler
    Application.DisplayAlerts = False
    ThisWorkbook.SaveAs Filename:=ThisWorkbook.FullName, _
                        FileFormat:=ThisWorkbook.FileFormat, _
                        Password:="", _
                        WriteResPassword:=""
    Application.DisplayAlerts = True

    MsgBox "パスワードを解除しました。", vbInformation
    Exit Sub

ErrHandler:
    Application.DisplayAlerts = True
    MsgBox "エラーが発生しました:" & vbCrLf & Err.Description, vbExclamation

End Sub

ポイント:

  • Password:="" で読み取りパスワードを解除、WriteResPassword:="" で書き込みパスワードを解除
  • ThisWorkbook.FullName で現在のファイルパスをそのまま使い、上書き保存する
  • ThisWorkbook.FileFormat で現在のファイル形式を維持する
  • パスワード付きブックをVBAで開くには Workbooks.OpenPassword 引数にパスワードを渡す

パターン2:パスワードを変更する

現在のパスワードを新しいパスワードに変更する。新しいパスワードを指定して SaveAs で上書き保存するだけでよい。


'============================================================
' ■ ブックのパスワードを変更(応用版)
'   → 新しいパスワードを指定してSaveAsで上書き保存
'============================================================
Sub ChangeBookPassword()

    '--- ★書き換えポイント ---
    Dim newPw As String
    newPw = "newPass456"           '← 新しいパスワード

    Dim newWritePw As String
    newWritePw = "newWrite789"     '← 新しい書き込みパスワード(不要なら "" )
    '--- ★ここまで ---

    '--- 確認ダイアログ
    If MsgBox("パスワードを変更して上書き保存します。" & vbCrLf & vbCrLf & _
              "新しい読み取りパスワード:" & newPw & vbCrLf & _
              "新しい書き込みパスワード:" & IIf(newWritePw = "", "(なし)", newWritePw) & vbCrLf & vbCrLf & _
              "実行しますか?", vbYesNo + vbQuestion) = vbNo Then
        Exit Sub
    End If

    '--- 新しいパスワードで上書き保存
    On Error GoTo ErrHandler
    Application.DisplayAlerts = False
    ThisWorkbook.SaveAs Filename:=ThisWorkbook.FullName, _
                        FileFormat:=ThisWorkbook.FileFormat, _
                        Password:=newPw, _
                        WriteResPassword:=newWritePw
    Application.DisplayAlerts = True

    MsgBox "パスワードを変更しました。" & vbCrLf & _
           "新しいパスワードを忘れないように記録してください。", vbInformation
    Exit Sub

ErrHandler:
    Application.DisplayAlerts = True
    MsgBox "エラーが発生しました:" & vbCrLf & Err.Description, vbExclamation

End Sub

ポイント:

  • 新しいパスワードを Password 引数に渡して SaveAs するだけで変更完了
  • 書き込みパスワードが不要な場合は newWritePw = "" にすればよい
  • パスワード変更後は必ず新しいパスワードを記録すること。忘れるとファイルが開けなくなる

コード(実務版)– フォルダ内の複数ブックに一括パスワード設定

フォルダに入れた複数のExcelブックに、一括でパスワードを設定する。月末の報告書など、複数ファイルにまとめてパスワードをかけたいときに使える。

以前、10個のブックに1つずつ手作業でパスワードをかけていた。パスワード入力画面を10回開いて、毎回同じ文字列を打ち込む。地味に面倒なだけでなく、1つかけ忘れてしまったことがある。このマクロを使い始めてからは、フォルダにファイルを入れて実行するだけ。10ファイル分の作業が5秒で終わる。


'============================================================
' ■ フォルダ内の複数ブックに一括パスワード設定(実務版)
'   → 指定フォルダ内の全Excelブックにパスワードを設定
'   → 読み取りパスワード+書き込みパスワードの両方に対応
'   → 処理結果をメッセージで表示
'   → エラーが出たファイルはスキップして続行
'============================================================
Sub SetPasswordToAllBooks()

    '--- ★書き換えポイント1: 対象フォルダ ---
    Dim folderPath As String
    folderPath = "C:\Users\(ユーザー名)\Desktop\報告書\"  '← 末尾に\
    '--- ★ここまで ---

    '--- ★書き換えポイント2: パスワード ---
    Dim readPw As String
    readPw = "readPass123"        '← 読み取りパスワード(不要なら "" )

    Dim writePw As String
    writePw = ""                  '← 書き込みパスワード(不要なら "" )
    '--- ★ここまで ---

    '--- ★書き換えポイント3: 対象拡張子 ---
    Dim targetExt As String
    targetExt = "*.xlsx"          '← 対象ファイルの拡張子パターン
    '--- ★ここまで ---

    '--- フォルダ存在チェック
    If Dir(folderPath, vbDirectory) = "" Then
        MsgBox "フォルダが見つかりません:" & folderPath, vbExclamation
        Exit Sub
    End If

    '--- 対象ファイル数を事前確認
    Dim fileCount As Long
    fileCount = 0
    Dim tmp As String
    tmp = Dir(folderPath & targetExt)
    Do While tmp <> ""
        fileCount = fileCount + 1
        tmp = Dir()
    Loop

    If fileCount = 0 Then
        MsgBox "対象ファイルが見つかりません:" & folderPath & targetExt, vbExclamation
        Exit Sub
    End If

    '--- 確認ダイアログ
    If MsgBox(fileCount & " 個のファイルにパスワードを設定します。" & vbCrLf & vbCrLf & _
              "フォルダ:" & folderPath & vbCrLf & _
              "読み取りパスワード:" & IIf(readPw = "", "(なし)", readPw) & vbCrLf & _
              "書き込みパスワード:" & IIf(writePw = "", "(なし)", writePw) & vbCrLf & vbCrLf & _
              "実行しますか?", vbYesNo + vbQuestion) = vbNo Then
        Exit Sub
    End If

    '--- ファイル名を配列に格納(Dir関数はループ中に再呼び出しできないため)
    Dim fileNames() As String
    ReDim fileNames(1 To fileCount)

    Dim i As Long
    i = 0
    tmp = Dir(folderPath & targetExt)
    Do While tmp <> ""
        i = i + 1
        fileNames(i) = tmp
        tmp = Dir()
    Loop

    '--- 一括パスワード設定
    Dim successCount As Long
    Dim errorCount As Long
    Dim errorFiles As String
    successCount = 0
    errorCount = 0
    errorFiles = ""

    Application.ScreenUpdating = False
    Application.DisplayAlerts = False

    Dim wb As Workbook
    Dim j As Long

    For j = 1 To fileCount

        '--- ステータスバーに進捗表示
        Application.StatusBar = "パスワード設定中... (" & j & "/" & fileCount & ") " & fileNames(j)

        On Error Resume Next

        '--- ファイルを開く
        Set wb = Workbooks.Open(folderPath & fileNames(j))

        If Err.Number <> 0 Then
            errorCount = errorCount + 1
            errorFiles = errorFiles & fileNames(j) & "(開けない)" & vbCrLf
            Err.Clear
            GoTo NextFile
        End If

        '--- パスワード付きで上書き保存
        wb.SaveAs Filename:=folderPath & fileNames(j), _
                  FileFormat:=wb.FileFormat, _
                  Password:=readPw, _
                  WriteResPassword:=writePw

        If Err.Number <> 0 Then
            errorCount = errorCount + 1
            errorFiles = errorFiles & fileNames(j) & "(保存エラー)" & vbCrLf
            Err.Clear
            wb.Close SaveChanges:=False
            GoTo NextFile
        End If

        wb.Close SaveChanges:=False
        successCount = successCount + 1

        On Error GoTo 0

NextFile:
    Next j

    Application.ScreenUpdating = True
    Application.DisplayAlerts = True
    Application.StatusBar = False

    '--- 結果表示
    Dim resultMsg As String
    resultMsg = "パスワード設定が完了しました。" & vbCrLf & vbCrLf & _
                "成功:" & successCount & " ファイル" & vbCrLf & _
                "エラー:" & errorCount & " ファイル"

    If errorFiles <> "" Then
        resultMsg = resultMsg & vbCrLf & vbCrLf & "【エラーファイル】" & vbCrLf & errorFiles
    End If

    MsgBox resultMsg, vbInformation

End Sub

書き換えポイント

変数 説明 初期値
folderPath 対象フォルダ(末尾に \ "C:\Users\(ユーザー名)\Desktop\報告書\"
readPw 読み取りパスワード(不要なら "" "readPass123"
writePw 書き込みパスワード(不要なら "" ""(設定しない)
targetExt 対象ファイルの拡張子パターン "*.xlsx"

コードの流れ

  1. フォルダ存在チェック: 対象フォルダがなければエラー通知して終了
  2. 対象ファイル数の事前確認: Dir関数でファイル数をカウント。0件なら終了
  3. 確認ダイアログ: ファイル数・パスワード・フォルダを表示して最終確認
  4. ファイル名を配列に格納: Dir関数はWorkbooks.Open内で再呼び出しできないため、先にファイル名を配列に保存
  5. 一括処理ループ: 各ファイルを開く → パスワード付きでSaveAs → 閉じる
  6. エラーハンドリング: エラーが出たファイルはスキップして次のファイルに進む
  7. 結果表示: 成功数・エラー数・エラーファイル名を表示

ポイント:

  • Dir関数は Workbooks.Open の内部でリセットされるため、先にファイル名を配列に格納している。これを知らないと2ファイル目以降が処理されない
  • Application.ScreenUpdating = False で画面更新を止めて高速化
  • readPw = "" にすれば読み取りパスワードなし、writePw = "" にすれば書き込みパスワードなしで保存される。両方 "" ならパスワード解除と同じ効果
  • SaveAsの応用として、日付付きファイル名で保存する方法は 日付やセル値でファイル名を付けて自動保存する方法 を参照

よくある落とし穴5選

1. SaveAsで元ファイルを上書きしてしまった

自分も経験がある。パスワード付きで保存したあと、パスワードなし版のファイルがなくなっていた。同じファイル名で SaveAs を実行したためだ。

原因: SaveAs は「名前を付けて保存」なので、同じパスに同じファイル名で保存すると上書きされる。Application.DisplayAlerts = False にしていると上書き確認もスキップされる。

対策: 実行前に必ずバックアップを取る。または保存先を別フォルダにする。

2. パスワードを忘れてファイルが開けない

原因: VBAコード内にパスワードをハードコードしていたが、そのマクロブックを閉じてしまい、パスワードがわからなくなった。

対策: パスワードは必ずメモやパスワード管理ツールに記録しておく。VBAコード内のパスワードは Alt + F11 でVBEを開けば確認できるが、マクロブック自体を閉じてしまうと見られない。

3. シート保護とブックパスワードを混同する

原因: ws.Protect Password:="pass" はシート保護(セル編集の制限)であり、ブックを開くときのパスワードではない。両者は別物。

対策: ブックを開くときのパスワードは SaveAsPassword 引数で設定する。シート単位の保護は 特定シートだけ保護・解除する方法 を参照。

4. FileFormatと拡張子が一致せずエラー

原因: .xlsx ファイルなのに FileFormat:=xlOpenXMLWorkbookMacroEnabled(52、.xlsm用)を指定した。または .xlsm ファイルに xlOpenXMLWorkbook(51、.xlsx用)を指定した。

対策: 拡張子と FileFormat 定数を合わせる。

拡張子 FileFormat定数
.xlsm xlOpenXMLWorkbookMacroEnabled 52
.xlsx xlOpenXMLWorkbook 51
.xls xlExcel8 56

実務版コードでは wb.FileFormat で元のファイル形式を取得しているため、この問題は起きない。

5. Dir関数がWorkbooks.Open内でリセットされる

原因: Dir関数でファイルを列挙しながらWorkbooks.Openを実行すると、Dir関数の内部状態がリセットされ、2ファイル目以降が取得できなくなる。

対策: 先にDir関数で全ファイル名を配列に格納してからループ処理する。実務版コードではこのパターンを採用している。

VBAでパスワード設定したのにファイルが保護されないときの対処法

「SaveAsでパスワードを設定したのに、ファイルを開くときにパスワードを聞かれない」という場合、原因は Password 引数ではなく WriteResPassword 引数を使っていることが多い。WriteResPassword は書き込みパスワードなので、読み取り専用では開けてしまう。ファイルを開くこと自体を制限したい場合は Password 引数を使うこと。

VBAでパスワード付きブックを開けないときの対処法

「Workbooks.Openでパスワード付きブックを開こうとしたらダイアログが出て止まる」という場合、原因は Password 引数を指定していないことだ。Workbooks.Open "ファイルパス", Password:="パスワード" のように引数でパスワードを渡せば、ダイアログなしで開ける。

FAQ

Q1: 読み取りパスワードと書き込みパスワードの違いは?

Password は読み取りパスワード。このパスワードを知らないとファイルを開けない。WriteResPassword は書き込みパスワード。パスワードなしでもファイルを「読み取り専用」で開ける。編集して保存するにはパスワードが必要。

用途に応じて使い分ける:

  • 社外に送るファイル: Password(読み取りパスワード)で開くこと自体を制限
  • 社内共有ファイル: WriteResPassword(書き込みパスワード)で閲覧はOK、編集は制限

Q2: パスワード付きブックをVBAで開くには?

Workbooks.OpenPassword 引数にパスワードを渡す:


Dim wb As Workbook
Set wb = Workbooks.Open("C:\test\sample.xlsx", Password:="myPass123")

書き込みパスワードが設定されている場合は WriteResPassword も指定する:


Set wb = Workbooks.Open("C:\test\sample.xlsx", _
                        Password:="readPass", _
                        WriteResPassword:="writePass")

Q3: .xlsxファイルにもパスワードをかけられる?

かけられる。FileFormat:=xlOpenXMLWorkbook(51)を指定する。実務版コードでは wb.FileFormat で元の形式を取得しているため、.xlsx でも .xlsm でもそのまま動作する。

Q4: パスワードの強度に制限はある?

Excel 2016以降では最大255文字。英字(大文字・小文字)・数字・記号が使える。ただし、Excelのパスワード保護はあくまで簡易的なもの。機密性の高いファイルには、ZIP暗号化や専用のDRM製品を併用することを検討する。

Q5: マクロブック(.xlsm)自体にパスワードをかけると、マクロは動く?

パスワードで保護されたブックを開いてパスワードを入力すれば、マクロは通常通り動作する。ただし、ブックを開けない状態ではマクロも実行できない。Workbook_Open イベントで自動実行する場合は、ブックを開く際にパスワードの入力が必要になる。

まとめ

この記事で、VBAを使ってブックにパスワードを自動で設定・解除できるようになった。

  • 基本版: SaveAs Password:="pass" で読み取りパスワードを設定
  • 応用版: Password:="" でパスワード解除、新しいパスワードで変更
  • 実務版: フォルダ内の複数ブックに一括パスワード設定(エラー時スキップ付き)

重要:パスワードを忘れるとファイルが開けなくなる。設定後は必ずパスワードを記録すること。

関連記事

次にやりたくなること

もっとカスタマイズしたい場合

「部署ごとに異なるパスワードを設定したい」「パスワードの強度ルールを統一したい」「定期的にパスワードを自動変更したい」「パスワード一覧をExcelで管理して読み込みたい」など、業務に合わせたカスタマイズが必要な場合は、ココナラで相談できます。

相談時に以下の情報があるとスムーズです:

  • Excel のバージョン / OS
  • パスワードを設定するファイルの数と形式(.xlsx / .xlsm)
  • 読み取りパスワード・書き込みパスワードのどちらが必要か
  • パスワードの管理方法(共通 / ファイルごとに異なる)

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